令和2年豪雨で被災 再出発の製氷会社球磨川の伏流水で氷作り

4日で発生から4年となる令和2年7月の豪雨で被災し、去年、工場を再建した人吉市の製氷会社で、球磨川の伏流水を使用した自慢の透き通った氷作りが再開されています。

昭和2年創業の製氷会社「人吉冷蔵」は4年前の豪雨で工場が浸水する被害を受け、被災後はほかの会社から氷を仕入れて営業を続けていましたが、去年12月に工場を再建して氷作りを再開しました。

この会社の売りは球磨川の伏流水を使用した純度の高い氷です。

氷缶と呼ばれる容器に水を張り、常時、空気を送り込んで不純物を取り除きながら丸2日かけてじっくりと凍らせていくことで、透き通った氷ができます。

この氷をくりぬいた「アイスボール」で作る焼酎やウイスキーのロックは味がまろやかになると好評だということです。

会社によりますと、近年はコンビニなどで手軽に氷を買えるようになって出荷量は減少していますが、最近では新たに関東地方の取引先から大口の引き合いがあったということです。

今後、夏本番を迎えて需要が高まり、来月には生産のピークを迎えるということです。

山賀隆司社長は「大変なこともありましたが4年間は早かったと感じます。水害をもたらした球磨川ですが、私たちはその恩恵を受けて商売をしているので、感謝の気持ちを忘れずに氷づくりを続けたい」と話していました。