熊本市役所本庁舎建て替え 7月に建設候補地の選定案示す方針

熊本市役所の本庁舎の建て替えについて、市はことし7月に建設候補地の選定案を示すと明らかにしました。

熊本市は1981年に建設された市役所の本庁舎を建て替える方針で、30日、開かれた市議会の特別委員会で、これまでのものに市民からの意見などを反映させて補足・修正した基本構想案を新たに示しました。

具体的には、免震構造の採用を念頭に検討を進めることなどを盛り込んだということです。

30日の委員会では、「国からの補助金の仕組みなどを活用するため、スピード感のある議論をしてほしい」とか、「市民説明会の回数が少なく周知が不十分だ」などといった意見が出されていました。

また、建設に向けた今後のスケジュールとして、市では、来月下旬に基本構想を策定し、7月には候補地の選定案を示したいと説明しました。

建て替えの候補地としては中心部の4つのエリアが示されていますが、市では今後すべての候補地をスケジュールや景観、アクセスなどの観点から検討するとしています。

そして、議会での審議を経て、9月の定例議会には新庁舎設計の関連予算案を提案することにしています。

【市役所本庁舎建て替え アンケートに1000件近くの意見】
耐震性能の不足などを理由に市役所の本庁舎の建て替え方針を示している熊本市は、先月から今月にかけて、あわせて10回の市民説明会を開いたほか、WEBでアンケートも実施し、あわせて1000件近くの意見が寄せられました。

具体的には、熊本地震を経験しているため防災上の観点から災害に対応できる庁舎をつくるのは理解できるといった賛成意見や、本庁舎だけではなく各区役所にも防災拠点の機能を持たせたほうがいいのではないかといった意見もあったということです。

一方で、県庁は建て替えないのに県庁より14年後に建った市役所を建て替える必要があるのかとか、本庁舎の耐震性能についてもっと丁寧な説明が必要で建て替えありきで議論が進んでいるなどといった建て替えに反対したり、そもそも議論の進め方に不満を持つ声も寄せられたということです。

熊本市は寄せられた意見やそれに対する市の見解を今後ホームページで公開することにしています。