菊池恵楓園の歴史や差別を伝える施設などのガイドブックを刊行

合志市にある国立ハンセン病療養所、菊池恵楓園の入所者でつくる自治会が、園の歴史や、差別を今に伝える施設などを紹介するガイドブックを刊行しました。

菊池恵楓園の入所者でつくる自治会は、3月、園の歴史資料館の監修のもと、「歩いて学ぶハンセン病問題」というタイトルのガイドブックを刊行しました。

ガイドブックでは、国の誤った隔離政策の歴史や、園の入所者の暮らしぶりなどを、多くの写真をまじえて伝えています。

また、引き取り手のいない遺骨を安置していた「旧納骨堂」や、園を取り囲っていた「隔離の壁」など、差別の歴史を今に伝える施設についても、背景をふまえて解説しています。

184ページからなるガイドブックは、歴史資料館のホームページから無料でダウンロードでき、関係者は園内見学の参考資料や学習指導用の教材として活用してほしいとしています。

菊池恵楓園入所者自治会の太田明副会長は「特に学校での人権教育で活用してほしい。差別の歴史や園のこれまでの変遷を見ながら、ハンセン病問題を通じて人権問題や命の尊厳について考えてもらう1つの手だてになれば」と話していました。