熊本県 木村知事 “非常に憤りを感じる” 意識啓発を徹底へ

水俣病の患者団体などと伊藤環境大臣との懇談の場で環境省の職員がマイクの音を切った問題で、発言を遮られた団体側を非難するような電話などが寄せられたことについて、熊本県の木村知事は10日の定例の記者会見で「非常に憤りを感じる」と述べました。

このなかで木村知事は、「非常に憤りを感じる。水俣病患者や支援者への差別や偏見、ひぼう中傷はあってはならず、意識啓発を徹底したい」と述べました。

また、今回の一連の問題について、「事務方の不手際でせっかくの意見交換が台なしになってしまったのは非常に残念だ」と述べた上で、当日、伊藤大臣に同行していた環境省の幹部に日程の組み方について苦言を呈していたことを明らかにしました。

今回の懇談では、各団体の持ち時間が3分に設定されていましたが、木村知事は、環境省が当日の進め方について事前に団体側へメールして、返事がなかったものの了承を得られたと説明しているとしたうえで、「心がこもっていないと思う。これでいいですかという電話1本くらいあっても良いのではないか」と指摘しました。

そのうえで、「要因の1つには東京と水俣の距離があるのではないか。だからこそ県がやるべき事はあると感じる。環境省で寄り添いきれない部分を県独自でしっかりやることに尽きる」と述べました。

さらに、今後の懇談のあり方について、「3分は撤廃すべきで短すぎる。関係者の思いを聞いてもらえる機会がない中、無制限はどうかと思うが、言いたいだけ言ってもらえれば良いと思う」と述べ、見直すべきだという考えを示しました。

一方、木村知事は10日の会見で、懇談後に団体側が環境省に抗議していたことについて、「あの場で大臣も環境省も事実上、つるしあげになっている」と述べました。

その後、発言について記者から真意を尋ねられると、「素直にことばを訂正する。団体側が厳しい怒りをこめて大臣や担当者を叱責されていたことを言いたかった。申し訳ない」と述べ、謝罪しました。