不通続く肥薩線 JR九州社長「沿線自治体と協議に入りたい」

4年前の豪雨で被災し、いまも不通が続くJR肥薩線の一部区間のうち、復旧方法などが決まっていない熊本県の人吉駅と鹿児島県の吉松駅の間について、JR九州の古宮洋二社長は沿線自治体と新しい会議を速やかに設けて、協議に入りたいという考えを示しました。

令和2年7月、豪雨で被災したJR肥薩線は、熊本県と鹿児島県の間の一部区間でいまも不通が続いています。

このうち、熊本県の八代駅と人吉駅の間はJR九州と自治体などが今月に入って鉄道で復旧させる方向で合意しましたが、熊本県の人吉駅と鹿児島県の吉松駅の間は復旧方法などが決まっていません。

これについて、JR九州の古宮社長は25日の記者会見で、「熊本と宮崎、それに鹿児島の3県を交えて、早急に新しい会議体を設け、議論を進めるべきだ」と述べ、沿線自治体と速やかに協議に入りたいという考えを示しました。

その上で、人吉・吉松間の収支が被災前は年間でおよそ3億円の赤字だったとして、「この現状をぜひわかっていただきたい。JR九州として方向性は決めていないが、利用する人が減れば動かす意味がなく、大きな判断要素になる」と述べました。

この区間を巡って、鹿児島県の塩田知事は今月の記者会見で、鉄道での復旧に向けて取り組む方針を示しています。