過去の気象再現 「再解析」を活用した全国初の防災訓練 菊池

過去の気象状況などを正確に再現する「再解析」という技術を活用した防災訓練が、熊本県菊池市で行われました。
この技術を活用した防災訓練は、全国で初めてだということです。

24日は、県内各地で熊本県や8つの市町村のほか警察や消防などあわせて32機関、およそ340人が参加して豪雨を想定した防災訓練が一斉に行われました。

このうち菊池市では、東京大学などのグループが研究を進めている、過去の気象状況などを正確に再現する「再解析」の技術を用いた訓練が実施されました。

2017年に起きた九州北部豪雨の雨雲がおよそ50キロ南下し、県内に被害が出た場合の状況を災害の危険度を色分けして示す気象庁の「キキクル」と連動させ正確に再現した上で、地域に応じた災害対応を体験することが狙いです。

市の職員は、川の氾濫や、土砂崩れによる地域の孤立、土石流の発生など、次々に寄せられる人命に関わる情報を受けながら、警察や消防などと情報共有を進め、対応にあたっていました。

再解析の技術を用いた防災訓練は、来月にかけて県内のほかの自治体でも予定されているほか、今後は、全国での実施も検討しているということです。

菊池市防災交通課の井本侑成主事は、「実際に災害が起きる可能性がある場所での災害対応を経験できたので、リアルな訓練だと感じました。特に川の近くの浸水想定区域では、災害が起こりうるという危機感をあらためて持つことができました」と話していました。