熊本地震から8年 支援に感謝の“花文字” 見頃に 益城町

熊本県益城町では、8年前の熊本地震をきっかけに地元住民が育てたシバザクラなどの花々が「花文字」を形作り、訪れた人たちの心を和ませています。

この花文字は、益城町で園芸店を営む倉本憲夫さんが所有する3000平方メートルの農地を利用して熊本地震の4年後から始めました。

花文字はピンクと白いシバザクラで人の心を表したハート型になるように植えられていて、「平和ありがとうございます」と白いペチュニアと黄色いウィンターパンジーの花で形作られています。

花文字を作った倉本さんは8年前に起きた熊本地震で自宅や園芸業を営む店が全壊しました。

家族で避難生活を送る中、全国からの支援やボランティアの人たちにお世話になったということで、日本全国から支援への感謝の気持ちが込められているということです。

今月、見頃を迎えた花文字の花畑には、益城町で暮らす親子連れや熊本地震で被災した人たちが訪れ、春の花々を眺めたり写真を撮ったりして心を和ませていました。

花文字を育てる倉本憲夫さんは「地震のときにシバザクラがきれいに咲いていたから、毎年地震が起きた時期に咲くいろんな色の花を植えたらきれいだろうなと思いました。この花文字で多くの人が心癒やされたり、子どもたちが走り回ったりして遊んでくれたらうれしいです」と話していました。

地震で被災した益城町の病院で介護士として働いていた女性は「ほんと大変だったなって感じですかね。花文字に癒やされます。毎年春が来るのが楽しみです」と話していました。

また、倉本さんは能登半島地震へのエールも花文字で作りました。

花文字は「石川県ガンバレ」と、生命力があり寒さにも強い黄色いビオラの花で形作られています。

倉本さんは「石川県の人たちには、育てた花での励まししかできないですけど、花文字は毎年書いていきたいと思っています」と話していました。