木村知事 流水型ダムめぐり五木村と相良村を訪問し意見交換

球磨川の治水対策として国が建設する流水型ダムをめぐり、熊本県の木村知事は地域の一部が水没すると想定されている五木村を訪れ、村長などと意見を交換しました。

16日、就任した木村知事は初めての市町村への訪問として、18日、五木村と相良村を訪れました。

このうち、五木村は球磨川の治水対策として国が建設する流水型ダムによって貯水時に一部が水没すると想定されていて、木下丈二村長は今月21日にダムを受け入れるか表明する考えを明らかにしています。

18日は木村知事と五木村側の間で意見交換が行われ、これまでに村が県などに提出した振興策の要望書を踏まえ、出席した村の議員などから人口減少が加速するなか、もっと具体的な振興策を示してほしいとか、振興に欠かせない交通網を改善してほしいといった意見が出ていました。

これに対して木村知事は「村の未来を今後どうつくっていくか、腰をすえて一緒に取り組んでいきたい」などと答えていました。

意見交換の終了後、木下村長は「すでにわれわれの要望に対する県などからの回答をもらっているが、村民の目にも見えるような形で、早く進めてほしい」と述べました。

【木村知事 流水型ダム建設予定地の相良村も訪問】
木村知事は、18日、五木村に続いて、流水型ダムの建設予定地である相良村も訪問しました。

相良村は球磨川の治水対策として支流の川辺川に国が建設する流水型ダムの予定地となっています。

熊本県は、道路の整備などこれまでに相良村が提案した施策にもとづいた振興策に取り組んでいます。

18日は木村知事と相良村との間で意見交換が行われ、相良村の吉松啓一村長は県が引き続き振興策に取り組むとともに、川辺川の水質を維持するための対策などについて要望しました。

木村知事は「知事が変わっても、相良村の振興に全力で取り組む気持ちは変わらない。目に見える形で事業が進むよう全力で取り組みたい」と答えていました。

相良村はこれまで五木村と同じく流水型ダムの建設について賛否を示していませんが、18日の意見交換の終了後、吉松村長はダムを含めた球磨川の治水対策について、「県や流域の市町村などの総意として進められていると認識している」と述べ、今後も建設の賛否は示さず、国や県が住民に直接説明する機会を設けたいという考えを示しました。

【五木村と相良村での意見交換のあとの木村知事の話】
木村知事は、五木村と相良村での意見交換のあと、「知事としてブレずに2つの村の課題にしっかり向き合うことが重要だと思っている。ダムをめぐる両村の長い苦難の歴史を基礎におきながら、いま抱えている課題への支援を実行していくことで県としての姿勢を示していきたい」と述べました。