九州大学とTSMC 半導体の研究や人材育成で包括的に連携

経済安全保障上の重要物資「半導体」を巡って、九州大学は、熊本県に半導体工場を建設した台湾のTSMCと研究や人材育成の面で包括的に連携することになりました。

発表によりますと、九州大学は、半導体の受託生産で世界最大手の台湾企業、TSMCと今月1日付けで覚書を交わしました。

TSMCが菊陽町に日本で初めてとなる工場を建設したことを受けて、半導体分野の研究や人材育成の面で包括的に連携するとしています。

このうち「研究」では、▽TSMCが九州大学の学生や教員に研究奨励金を給付するほか、▽両者が半導体に関する共同開発プロジェクトに乗り出すとしています。

また「人材育成」では、▽TSMCの技術者による講義や、▽学生に台湾での就業体験の機会を提供することが盛り込まれています。

半導体は経済安全保障上の重要物資に位置づけられる一方、専門人材の不足が指摘されていて、両者は連携を通じ、高度な技術と知識を備えた人材を将来にわたり育てていく方針です。

九州大学の白谷正治副学長は記者会見で、「半導体のトップ人材を国内で毎年100人ぐらい輩出できればと言われているが、このうち3分の1程度は九州大学から出したいという希望を持っている」と述べました。

TSMCは、すでに熊本大学とも同様の連携協定を結んでいます。