阿蘇中岳 火山ガス多い状態続く 噴火警戒レベル「2」継続

阿蘇中岳第一火口の先月の火山活動は、火山ガスが多い状態が続いていて、気象台は、火口周辺への立ち入り規制を示す噴火警戒レベル「2」を継続し、火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石などに警戒を呼びかけています。

福岡管区気象台が発表した先月の阿蘇山の火山活動の解説によりますと、中岳第一火口では、去年12月ごろから火山ガスの1日あたりの放出量が増加していて、先月は600トンから2000トンでした。

やや多い状態が続いていますが、前の月と比べると減少傾向にあるということです。

夜間には火口カメラの映像で、火口の南側の火口壁が熱せられて赤く光る「赤熱」が引き続き確認されました。

また、地下の熱水やマグマの動きを示すとされる火山性微動の振幅は、2月下旬からわずかな高まりが見られて以降、やや大きな状態で推移しているということです。

一方、地下にマグマだまりがあると考えられている場所では、衛星からの観測で、マグマの蓄積が進んでいることを示す「伸び」の傾向が確認されていましたが、1月下旬以降、停滞しているということです。

気象台は、火口周辺への立ち入り規制を示す噴火警戒レベル「2」を継続し、中岳第一火口からおおむね1キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石などに警戒するとともに、自治体の指示に従い、危険な地域に入らないよう呼びかけています。