蒲島知事が会見 ”県民に敬愛と尊敬の念を持ちながら仕事”

熊本県の蒲島知事が退任を前に、最後の記者会見を開き「県民に対して、敬愛と尊敬の念を持ちながら仕事をできた」と4期16年間の県政運営を振り返りました。

蒲島知事は、15日、4期16年の任期が満了となり、退任を前に最後の記者会見を開きました。

この中では、一連の熊本地震で最初の震度7の揺れがあった日から、14日で8年となったことに触れ、「地震のあと、駅や空港など県内の玄関口が新しく生まれ変わった。前よりも、よい形で復興する『創造的復興』が理解してもらえたと思う。そこを乗り越えたからこそ、いまTSMCが熊本に進出し、100年に1回のチャンスになっていると思う」と述べました。

その上で、「公僕として県民の利益や幸福量を追求するのが一番大事だということを、知事になって改めて理解した。蒲島県政の評価は、県民、または歴史が行うと思うが、いま熊本はよい流れにある。このよい流れを継承した木村新知事は、さらに強く大きくする力があると思う」と述べ、16日就任する木村知事に期待を寄せました。

そして県民へのメッセージとして「県民に伝えたいのは感謝の気持ちだ。私自身、熊本県民に対して、敬愛と尊敬の念を持ちながら仕事をすることができた。それは蒲島県政にとって大きかった」と述べ、16年間の県政運営を振り返るとともに県民に感謝のことばを述べました。


【蒲島知事が追悼式で遺族に「申し訳ありませんでした」】

蒲島知事は退任を前に行った記者会見で、14日の県主催の追悼式の際、参列した遺族に「申し訳ありませんでした」と伝えていたことを明らかにしました。

熊本地震で、最初の震度7の揺れがあった日から8年となった14日、県庁では県主催の追悼式が開かれ、遺族などおよそ30人が参列しました。

この中では、2度目の震度7の揺れで起きた、南阿蘇村での大規模な土砂崩れで車ごと巻き込まれ、およそ4か月後に発見された阿蘇市の大学生大和晃さんの両親と兄も参列しました。

当時、警察や消防などによる大和さんの捜索は、2次災害のおそれがあるため2週間ほどでいったん打ち切られ、その後、家族などによって見つかりました。

14日の追悼式では、遺族と蒲島知事がことばを交わす様子が見られ、記者会見で蒲島知事は、遺族に「私が至らぬ知事で申し訳ありませんでした」と伝え、頭を下げたことを明らかにしました。

そして「ご家族は、今までもずっとつらい思いが残っておられると思います。県民をそういう思いにさせることは、自分が至らなかったという気持ちがありました」と述べました。