南阿蘇村で専門家が講演 ”住む場所の災害リスク把握が重要”

一連の熊本地震で、最初の震度7の揺れから8年となった14日、南阿蘇村で活断層の専門家が講演し、住む場所の災害リスクを把握することなどの重要さを指摘しました。

この講演は、去年開業した熊本地震の教訓などを伝える南阿蘇村の展示施設「震災ミュージアムKIOKU」で行われ、熊本市などからおよそ50人が参加しました。

14日は、日本活断層学会の会長で名古屋大学の鈴木康弘教授が講演し、熊本地震の後、ほかの研究者とともに村の住民などを対象に実施したアンケート調査を紹介しました。

このなかで鈴木教授は、熊本地震を引き起こした活断層について、存在を知っていた一方、大きな地震が起きるとは思っていなかった人が多くいたとする結果を説明しました。

その上で、「活断層は自然からの警告を教えてくれるもので、より多くの人が『活断層があれば地震が起こる』という考えになれば、備えは変わってくる」と述べ、ふだんから住む場所の災害のリスクを把握し、備えを改めることの重要さを指摘しました。

このあと、震災遺構となっている東海大学の旧阿蘇キャンパスでは、実際に地表に現れ、保存されている断層について鈴木教授などが解説し、参加した人たちが真剣に聞き入っていました。

自宅が半壊した熊本市の60代の女性は、「地震が起きるとは思わず、備えができていなかった。能登半島地震もあったので、改めて活断層も勉強したい」と話していました。