流水型ダムの環境影響レポート 蒲島知事が国に意見書提出

球磨川の治水対策で建設される流水型ダムが環境にどのような影響があるかなどをまとめた国のレポートについて、蒲島知事が意見書を提出しました。
意見書ではダムの構造などを「県が求めた環境に極限まで配慮された」と評価したうえで、さらなる環境の保全や再生を求める内容となっています。

球磨川の治水対策として、国は支流の川辺川に平常時には川の水が流れる、環境に配慮した流水型ダムを建設する計画を進めています。

今回のダム建設で、国は環境への影響の予測や調査などを行って4つの段階でレポートを示すことになっています。

国は去年11月、3段階目のレポートとして5000ページからなる「環境影響評価準備レポート」を公表し、知事や住民などから意見を募っていました。

これらの意見を受けてレポートが更新されますが、知事や住民が意見を出すのは今回が最後の段階で、蒲島知事の意見書は12日、国に提出されました。

意見書ではダムの構造と運用について「県が求めた環境に極限まで配慮されたものであり、清流を守ることにつながる」と評価しました。

そのうえでさらなる環境の保全のために、ダムの運用が始まった後には、積もった土砂の撤去など適切な維持管理を行うことや、山林の回復などを含めた流域の環境の再生や新たな創出を求める内容となっています。

蒲島知事は意見書の提出にあたって記者会見を開き、環境への影響を懸念する声が住民に根強いことを踏まえ「新たな流水型ダムは地域との『共生』を図るものでなければならない。国には今後もさらなる環境影響の最小化を追求し、ダムの早期整備を推進いただくとともに、引き続き流域の皆様への丁寧な説明をお願いしたい」と述べました。