日銀熊本支店 県内の景気判断10か月ぶりに引き上げ

日銀熊本支店は、今月発表した金融経済概観で、半導体関連を中心に設備投資が増えていることから、県内の景気は「回復している」として、判断を10か月ぶりに引き上げました。

日銀熊本支店は国の統計や県内企業へのヒアリングなどをもとに、今月の熊本県内の金融経済概観を発表しました。

それによりますと、「設備投資」は半導体関連を中心に、工場や事業所などの設備投資が増加傾向にあるとして、「はっきりと増加している」に判断を引き上げました。

一方、「個人消費」や「観光」は、物価高を背景に節約志向はみられるものの、旅行や飲食などサービス業での需要は増えていることなどから、いずれも判断を据え置いています。

これらを踏まえた結果、県内の景気は先月の「緩やかに回復している」から「回復している」という判断に引き上げました。

引き上げるのは去年6月の判断以来、10か月ぶりです。

日銀熊本支店は、「半導体関連での工場の新設など設備投資を増やす動きは続くとみられる。個人消費の回復に欠かせない所得の改善に向け、中小企業の賃上げの動向などをよく見ていきたい」と話しています。