肥薩線の復旧問題 JR九州社長「県の具体策を待って判断」

4年前の豪雨で被災し、いまも不通が続くJR肥薩線の一部区間を鉄道として復旧させるかどうかを巡って、JR九州の古宮洋二社長は、日常利用を増やすための具体策が熊本県から出されるのを待って、最終判断したいという考えを示しました。

令和2年7月豪雨で被災したJR肥薩線は、熊本県と鹿児島県の間の一部区間でいまも不通が続いていて、熊本県と国土交通省、それにJR九州は検討会議を設置し、復旧方法などの協議を進めています。

これまでに熊本県は、観光産業の成長を図り、2033年度ごろに鉄道としての復旧を目指すなどとする方針案をまとめましたが、JR九州は先月の会合で「沿線の人たちの日常利用も不可欠だ」と指摘していました。

協議が大きく進展しない中、JR九州の古宮社長は27日の記者会見で、「持続可能性が問題で、熊本県がボールを握った形になっている。人口減少が見えているし、観光だけでは納得できない」と述べました。

その上で、「県がどのような回答を次の検討会議で返してくるか分からない。私としてはその回答を見ないと、イエスもノーも言えない」と述べ、鉄道として復旧させるかどうかは、日常利用を増やすための具体策が県から出されるのを待って、最終判断したいという考えを示しました。

また、古宮社長は、来月15日までの蒲島知事の任期にとらわれず協議を行う姿勢もあわせて示しました。