水俣病訴訟の原告など チッソ側に早期解決に向けた協議要請

水俣病の国の救済策の対象とならなかった人たちが国や原因企業チッソなどに賠償を求めた裁判で、熊本地方裁判所が今月原告側の訴えを退けた判決を受け、原告などは27日、チッソ側に対し、国などとともに早期解決に向けた協議を始めるよう要請しました。

水俣病をめぐり、2009年に施行された特別措置法の救済策で対象とならなかった人たちが、国や原因企業チッソなどに賠償を求めた裁判では、熊本地方裁判所が今月22日、原告144人のうち、25人を水俣病と認めた一方、損害賠償を求めることができる期間が過ぎているとして、訴えを退けました。

この判決を受け、27日、原告や弁護団などおよそ30人が、東京・千代田区にあるチッソの本社前を訪れ、「取り残されている被害者を全員救済してほしい」などと訴えました。

そして、原告の高齢化が進んでいる現状を踏まえ、国などとともに水俣病問題の早期解決に向けた協議を始めることなどを求めた要請書を提出しました。

チッソはNHKの取材に対し、「現時点で申し上げることはない」としています。

原告の1人で、要請書を手渡した鹿児島県出水市の花山章さんは「チッソは被害を認め、謝ってほしい。しっかりとみんなを救済してほしい」と話していました。