国内初 ティラノサウルス科の下あごの化石見つかる 苓北町

苓北町にあるおよそ7400万年前の地層から、大型のティラノサウルス科の下あごの化石が見つかりました。
ティラノサウルス科の化石のうち、あごの化石が発見されたのは国内では初めてだということです。

この化石は10年前、天草市立御所浦白亜紀資料館と福井県立恐竜博物館の共同調査チームが苓北町にあるおよそ7400万年前の白亜紀後期の地層で発見したもので、これまで福井県立恐竜博物館で詳しい調査が進められていました。

その結果、歯の断面がふくらみのあるだ円形をしている特徴などから、ティラノサウルス科の化石であることがわかったということです。

御所浦白亜紀資料館によりますと、今回発見されたのは左右の下あごの骨で、長さが左がおよそ14センチ、右がおよそ17センチあり、全長が8メートルから9メートルほどの大型の恐竜と推定されています。

国内ではこれまで、天草市と長崎市でティラノサウルス科の歯の化石は見つかっていましたが、あごの化石が発見されたのは今回が初めてで、共同調査チームは今後、体の骨の発見も期待できるとしています。

また、ティラノサウルス科を含む「獣脚類」という2足歩行の肉食恐竜のグループで見ても、これまでにあごの化石は2種類しか見つかっておらず、極めてまれだということです。

共同調査チームは「獣脚類の研究に役立つ重要な標本だ。また、ティラノサウルス科の化石は年代のわからないものが多く、生息していた年代や地域の広がりを知る重要な資料だ」としています。

調査にあたった御所浦白亜紀資料館の黒須弘美学芸員は「化石の実物は、来月20日にリニューアルオープンする『御所浦恐竜の島博物館』の常設展で見ることができます。

日本初の発見なので日本にもこういう大きな体を持つ、大型の恐竜がいたんだなということを感じとっていただければと思います。」と話していました。