生成AIを全国の防災訓練に活用へ 国の機関が研究開発始める

生成AIを全国の防災訓練に活用へ 国の機関が研究開発始める

能登半島地震の発生を受け、災害へのさらなる備えが求められる中、新たな防災訓練の取り組みです。
熊本県などの過去の訓練データを生成AIに学習させ、全国で行われる訓練で活用しようという研究が、国の機関で始まったことがわかりました。

全国の自治体では、発災直後の状況などを想定して職員や関係機関による訓練が行われていますが、防災科学技術研究所によりますと、訓練のシナリオづくりには複数の職員が数か月かけて取り組む必要があるほか、被災経験の有無によって、内容に差が生じているということです。

こうしたなか、自治体による訓練の実施を後押しするため、防災科学技術研究所などの研究チームが、今月から、生成AIを用いた研究開発を始めたことがわかりました。

過去の災害などを踏まえた訓練実績がある熊本県などからデータの提供を受け、生成AIに学習させることで、簡単な指示を入力すれば職員の負担をかけずにシナリオが出力されるシステムづくりを進めているということです。

また、シナリオで想定している被災状況をAIが画像で表示するため、臨場感のある訓練につなげることも期待できるということです。

研究チームでは、来年度末にも全国の自治体での活用を目指すとしています。

防災科学技術研究所の伊勢正研究統括は、「全国どこでも能登半島地震のような災害が起きる可能性があるので、AIを用いることで、負担をかけずに、質の高い訓練を広めていきたい」と話していました。