医療や介護の関係者などがハンセン病の歴史や現状を学ぶ

医療や介護の関係者などが、ハンセン病の歴史や、回復して社会復帰した人の現状について学ぶ研修会が、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」で開かれました。

この研修会は、ハンセン病に対する差別や偏見をなくすために歴史や現状を学んでもらおうと県が主催したもので、医師や介護福祉士、それに社会福祉について学ぶ学生などおよそ40人が参加しました。

研修会では、22年前まで菊池恵楓園に入所していた中修一さん(81)が講話し、治療法が確立されたあとも園の内外で差別を受けてきたという体験を語りました。

そして、ハンセン病から回復して退所したあとも、周囲に病歴を知られることを恐れて医療や介護などのサービスを受けられず、療養所に再び入所せざるを得なくなる人がいることに触れたうえで、「人によっては社会に出て暮らすことは難しく療養所にいたほうがきっと楽なのですが、私は“復帰者”として社会の中で人生を全うしたい」と話しました。

山鹿市から参加した社会福祉士の女性は「隔離政策が長く続いたのは、当時の医者の意識が低かったことも大きいと思いました。当事者の方の話をまた聞きたいと思ったし、子どもたちにもハンセン病の歴史を知ってほしい」と話していました。