阿蘇山 噴火警戒レベルを「2」に引き上げ

熊本県の阿蘇山で火山活動が高まっているとして、福岡管区気象台は、23日、火口周辺警報を発表して、噴火警戒レベルを火口周辺への立ち入り規制を示す「2」に引き上げました。
気象台は、中岳第一火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

福岡管区気象台によりますと、熊本県の阿蘇山で23日行った現地調査では、火山ガスの放出量が1日あたり2000トンと多い状態だったということです。

また、先月ごろから、地下にマグマだまりがあると考えられている場所で膨張を示す地殻変動が認められ、マグマだまりへのマグマの蓄積が進行していると考えられるということです。

このため気象台は、火山活動が高まっているとして、午後3時に阿蘇山に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを「1」から火口周辺への立ち入り規制を示す「2」に引き上げました。

入山規制などの対象となる地域は阿蘇市と南阿蘇村で、噴火警戒レベルが「2」となるのは、去年3月以来です。

23日の噴煙の状況は雲のため不明だということで、気象台は、今月19日から、高感度の監視カメラで火口を観測しているということです。

また、これまでの観測では火山性地震は少なく、孤立型微動は多い状態だということです。

気象台は、中岳第一火口からおおむね1キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

また、風下では、火山灰だけでなく、小さな噴石が遠くまで風に流されて降るおそれがあるため注意し、火山ガスにも注意するよう呼びかけています。

阿蘇山の噴火警戒レベルが「2」に引き上げられたことを受けて、地元の自治体などでつくる阿蘇火山防災会議協議会は、火口からおおむね1キロの範囲で立ち入りを規制しています。

また、阿蘇山の火山活動が高まっているとして、環境省は、登山道の砂千里ルートの一部と、火口東展望所ルートを通行禁止にしました。