五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」玉名市
イノシシの肉を食べてこの1年の五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」が熊本県玉名市の神社で行われました。
この祭りは、田畑を荒らすイノシシを神様が退治してその肉を地元の人たちに分け与えたという言い伝えにちなんで、玉名市の滑石諏訪神社で180年あまりにわたって行われています。
17日は氏子たち10人あまりが参加してイノシシの剥製の前で神事が行われ、全員で神職のおはらいを受けました。
氏子を代表してことしの福男に選ばれた植野司さん(72)が神社の向かいの池に入りひざ下まで水につかりながら、先端に御幣のついた竹ざおを去年のものから新しいものに取り替えました。
福男は、ふだんの年は地域の若者が選ばれますが、高齢化が進み、ことしは植野さんが50年ぶりに福男を務めました。
植野さんは「災害のない1年になるように願って竹ざおを立てました」と話していました。
供えられたイノシシの肉はこのあと地元の各区に配られ、さっそくごぼうと一緒に煮て味わっていました。
滑石諏訪神社の宮総代の坂西雪正さんは「過疎化が進んでいますが、伝統の祭りを若い世代に引き継いでいきたい」と話していました。