3月引退の観光列車「SL人吉」 12日に特別ツアーで運行

引退まで2か月ほどとなった観光列車「SL人吉」が12日特別に運行され、乗客たちは残り少ない機関車との時間を楽しみました。

「SL人吉」は、2009年の運行開始から先月末までに40万人以上が乗車するなど人気を集めてきました。

しかし機関車は完成から100年を超え老朽化が著しいため、ことし3月23日に運行を終了することが決まっています。

「SL人吉」が運行されていた肥薩線が4年前の7月の豪雨で大きな被害を受けたため、現在は、熊本駅と佐賀県の鳥栖駅の間で休日に運行されています。

引退まで2か月ほどとなった12日は、特別ツアーが運行され、事前に申し込んだおよそ30人が乗車し、熊本駅から鳥栖駅まで片道2時間40分の旅を楽しみました。

乗客たちは記念写真を撮ったり、かつて人吉駅で販売されていた名物の「栗めし」を食べたりして、時速40キロほどでゆっくり走る車内で思い思いの時間をすごしていました。

途中、停車した福岡県の久留米駅では、乗客たちが機関車が勢いよくはきだす蒸気や車両点検の様子を興味深そうに見学していました。

熊本市から両親と3歳の娘とともに訪れた30代の女性は「なかなか予約がとれなかったので最後に乗ることができてよかったです。真っ黒ないでたちとフォルムがかっこいいです」と話していました。

また、東京から夫と息子5歳の息子と訪れた30代の女性は「SL人吉に乗る夢がかなってよかったです。引退はさみしいですが、最後まで元気に走り抜けてほしい」と話していました。

JR九州によりますと、「SL人吉」の運行スケジュールはホームページで確認できるということです。