高齢者が介護施設職員などから虐待を受けたケース 過去最多に

昨年度、熊本県内の高齢者が介護施設の職員などから虐待を受けたと判断されたケースが41件と、過去最多となったことが県のまとめでわかりました。
県は施設に対して研修の受講を促すなど従来通りの対策を行う一方、新たな対応については検討していないとしています。

熊本県のまとめによりますと、昨年度、高齢者が介護施設で働く職員などから虐待を受けたと県内の市町村が判断したケースは41件で、前の年度から26件増え、調査を始めた平成19年度以降、最多となりました。

市町村に寄せられた相談や通報の件数はあわせて75件で、前の年度から31件増え、こちらも過去最多となりました。

また、家族や親族などから虐待を受けたと判断したケースは264件で、ほぼ横ばいでしたが、相談や通報の件数は542件と110件増え、最多となっています。

昨年度、虐待と判断したケースなどが大きく増えた理由について、熊本県認知症対策・地域ケア推進課は「現時点ではわからない」としています。

県は施設に研修の受講を促すなど、従来通りの対応を続けるということで、今後、新たな対策は検討していないということです。

また、家族などによる虐待については、これまで通り、研修会や専門職の助言などを行って、対応する市町村を支援するとしています。