全線運転再開の南阿蘇鉄道 利用者は地震前年よりわずかに増加

熊本地震で被災し、ことし7月に全線で運転を再開した南阿蘇鉄道の利用客は、再開した月から3か月間で地震の前の年の同じ時期と比べ、わずかに増えておよそ8万人でした。

南阿蘇鉄道は7年前の熊本地震で橋りょうなどに大きな被害を受けて復旧工事が進められ、ことし7月15日に7年3か月ぶりに全線で運転を再開しました。

会社などによりますと、再開した7月から9月までの3か月間に利用した客は7万9243人でした。

熊本地震の前年の2015年の同じ時期と比べて840人、率にして1.1%増えました。

客が増えた要因として全線再開のPRで認知度が向上したほか、トロッコ列車や人気漫画「ONEPIECE」をモチーフにした特別列車の運行が好調だったことをあげています。

ただ、定期券を利用した客は地震前からおよそ39%減少したということで、南阿蘇鉄道はインバウンドの回復による観光客の利用促進に期待を寄せる一方、高校生など通学客の利用にも期待したいとしています。