人吉市の災害公営住宅 予定地が浸水のおそれ 住民監査請求

人吉市が3年前の豪雨の被災地で計画している災害公営住宅をめぐって、建設予定地が今後も浸水するおそれがあるなどとして、計画の撤回を求める市民らが、建物の購入費用の差し止めなどを求めて2度目の住民監査請求を行いました。

住民監査請求を行ったのは、人吉市が3年前の7月の豪雨で浸水した市の中心部の2か所で建設を予定している災害公営住宅について、計画の撤回を求めている住民グループで、8日は代表者らが、市の監査委員に宛てた書類を提出しました。

この計画について、人吉市はことし10月、土地の所有者から建設予定地を購入する契約を結んだほか、今月5日には、災害公営住宅の完成後に業者側から建物などを10億8000万円あまりで購入するとした議案を、市議会に提出しています。

請求によりますと、建設予定地は国の想定で今後も浸水が生じる可能性があるとされていて、災害公営住宅を含む市営住宅などの整備基準を定めた市の条例に違反するとして、建物の購入費用の差し止めなどを求めています。

同様の住民監査請求はことし9月にも行われましたが、「予算の執行段階に至っていない」などとして、却下されていました。

住民グループの1人は「災害公営住宅を作ってほしい思いは私たちも同じです。誰もが納得できる計画に見直してほしい」と話していました。