旧大洋デパート火災から50年・跡地の大型商業施設で消防訓練

熊本市の旧大洋デパートで104人が亡くなった火災から今月29日で50年となるのを前に、跡地に建てられた大型商業施設で火災を想定した消防訓練が行われました。

1973年の11月29日に熊本市の旧大洋デパートで起きた火災では、104人が犠牲になり、120人あまりが重軽傷を負いました。

今月29日で火災から50年となるのを前に、デパートの跡地に建てられた大型商業施設「COCOSA」では14日建物の3階から火が出た想定で、消防と施設の運営会社による訓練が行われました。

訓練にはおよそ80人が参加し、はじめに、駆けつけた消防隊が取り残された人を外に誘導しました。

この商業施設は、市の中心部にあるアーケード街に面した地下1階、地上8階の建物で、隊員たちが逃げ遅れた人たちをはしご車を使って5階のベランダから救助したり、建物に向かって放水したりしていました。

訓練を見ていた20代の男性は、「ここで50年前に大きな火災があったことを初めて知りました」と話していました。

旧大洋デパートの火災で友人を失ったという80代の女性は、「友人を思いながら訓練を見守りました。火災はいつ起きてもおかしくないし、命に関わることなので若い人にも知ってほしい」と話していました。

熊本市消防局中央消防署の本田淳消防司令は、「今後も訓練を重ねて防災意識を向上させていきたい」と話していました。