地下水の維持へ 大津町で100万トン超の地下水のかん養開始

台湾の半導体メーカー、TSMCの進出にともなって地下水の維持が課題となる中、大津町ではTSMCが1年間に採取する最大量のおよそ3分の1にあたる100万トンを超える地下水のかん養が始まっています。

菊陽町へのTSMCの進出に伴い、くみ上げて使う水と地下に浸透していく水とのバランスが課題となる中、地下水を維持するためには、米の栽培時期ではない水田に水を張って浸透させるかん養が重要とされています。

菊陽町から隣の大津町にかけての白川中流域は、ほかの地域と比べて水の浸透効果が5倍から10倍あるとされ、冬場としては初めて、大津町の瀬田地区にある水田でかん養が始まっています。

「さぶた」と呼ばれる取り入れ口を開くと、白川からの農業用水が流れ込み、少しずつ田んぼに広がっていきました。

当初の想定よりも参加する農家が増え、かん養はおよそ6.7ヘクタールの水田で来年3月まで行われ、TSMCが1年間に採取する最大量のおよそ3分の1にあたる100万トンを超える地下水がかん養される見通しです。

瀬田地区水田湛水協議会の瀬川友次会長は、「地下水は熊本県の命なので、農家としてできる取り組みを進めていきたい」と話していました。