球磨川治水対策の流水型ダム 試験湛水の影響を専門家に示す

3年前の豪雨で氾濫した球磨川の治水対策で建設される流水型ダムについて、国は、ダムの強度などを確かめる「試験湛水」と呼ばれる工程を実施する際、環境にどのような影響が出るかなどを専門家でつくる委員会に示しました。

球磨川の支流、川辺川に流水型ダムを建設する計画をめぐっては、工事を実施する国が流域の環境への影響の調査や予測などを行うことになっています。

調査などを行うにあたって国が設けた委員会が31日五木村で開かれ、生物や河川工学に詳しい専門家が出席しました。

委員会では国の担当者がダムの強度や安全性を確かめる「試験湛水」と呼ばれる工程を実施する際、ためた水を放流することで沈んだ土砂が巻き上がり、濁った水が下流に流れる可能性があると述べました。

その対応策として、放流する水の速度を遅くすることで、水の濁りを抑制する効果が期待されると説明しました。

これに対し委員からは「放流の勢いがなくなると、藻類に土砂がからめ取られるといった影響が出る可能性もある。必要であれば、対応策を練ってほしい」といった意見が出されました。

また、国は31日、環境への影響の調査などで必要な4段階の手続きのうち、3つ目にあたる「環境影響評価準備レポート」の案を委員のみに示しました。

今後、委員からの意見を踏まえ、レポート作成の作業を進めることにしています。