有明海でのり養殖始まる

熊本県沖の有明海で、今シーズンののり養殖が始まり、27日朝、養殖用の網を海面に張る作業が行われました。

有明海ののり養殖は、毎年、海水温や潮の状況を見て一斉に開始する日を決めていて、熊本県沖では27日、始まりました。

このうち18軒の漁業者がのり養殖をしている玉名市大浜町の沖では、日の出前の午前4時ごろから沖合の養殖場に2万3000枚あまりの網を張る作業が行われました。

「種つけ」と呼ばれる作業で、網の下に取り付けられた袋にのりの胞子をつけたかき殻が入っていて、次第に胞子が網に広がりのりの芽として伸びていきます。

漁業者たちは、ロール状に巻いた長さ18メートルの網を小舟から下ろして海面に張り、海中に立てられた支柱と網をひもなどで固定していました。

県漁連によりますと、昨シーズンは、赤潮の発生などでのりの生育に必要な海中の栄養塩が不足した影響で生産枚数が7億2000万枚あまりと前のシーズンよりおよそ2割減少したということです。

大浜漁協の木山義人組合長は「海の状況は徐々によくなってきているので昨年以上にいいのりができると期待したいです」と話していました。

熊本県沖ののり養殖は、順調に生育が進めば来月末ごろに今シーズン最初の「一番のり」が収穫できるということです。