熊本県 TSMC進出で地下水維持 100万トン超のかん養へ

熊本県では台湾の半導体メーカー、TSMCの進出に伴って地下水の維持が課題となっています。
こうした中、熊本県大津町ではTSMCが1年間に採取する最大量のおよそ3分の1にあたる100万トンを超える地下水のかん養が始まることになりました。

熊本県では菊陽町へのTSMCの進出に伴い、工場の操業に多くの地下水が使われることから地下に浸透していく水とくみ上げて使う水のバランスの維持が課題となっています。

地下水の維持には、米の栽培時期ではない水田に水を張って浸透させるかん養が重要とされています。

熊本県内では菊陽町から隣の大津町にかけての白川中流域がほかの地域と比べて水の浸透効果が5倍から10倍あるとされ、県などはこの地域でかん養を進めることを目指して地域の関係者と検討を進めてきました。

こうした中、来月から大津町の瀬田地区にある水田およそ6.3ヘクタールでかん養が始められることになり、24日は地元協議会の設立総会が開かれました。

かん養は来年3月まで5か月間行われ、TSMCが1年間に採取する最大量のおよそ3分の1にあたる100万トンを超える地下水のかん養が行われるということです。

白川中流域での冬場のかん養が決まったのは今回が初めてです。

瀬田地区水田湛水協議会の瀬川友次会長は、「ずっと地下水で生活していて水に対する地域の思いはものすごく強い。手をとりあってかん養しながら、自分たちの生活に必要な水を確保していきたい」と話していました。