国が球磨川の治水対策で建設 流水型ダムの環境影響予測示す

3年前の豪雨で氾濫した球磨川の治水対策で建設される流水型ダムについて、国は、工事で生じる可能性がある環境への影響の予測などを専門家でつくる委員会に示しました。

球磨川の支流、川辺川に流水型ダムを建設する計画をめぐっては、工事を実施する国が、環境アセスメントと同様に、流域の環境への影響の調査や予測などを行うことになっています。

環境アセスメントを行うにあたって国が設けた委員会が、10日、熊本市で開かれ、生物や河川工学に詳しい専門家が出席しました。

委員会では建設予定地での工事などで生じる可能性がある環境への影響について、国が予測の結果の一部などを示しました。

それによりますと、ダムの使用が始まったあとの洪水調節で下流の流れが変化するものの、一定程度の対策を取ることで、アユなどの餌となる藻類への影響は小さいなどとしています。

専門家からは環境への影響をより軽減させる対策も念頭に置いてほしいなどの意見が出されました。

国は現在、環境への影響調査で必要な4段階の手続きのうち、3つ目の「環境影響評価準備レポート」を公表するための検討を行っていて、今後の委員会では残りの予測結果などを示すとともに、専門家の意見を踏まえ、レポート案の作成を進めることにしています。