「全国学力テスト」県教委が事前対策の中止を小中学校に要請へ

小学6年生と中学3年生を対象に実施される「全国学力テスト」について、熊本県教育委員会はテストの点数を上げるための事前対策をやめるよう、県内のすべての公立の小中学校に対して初めて要請することを決めました。

4月に実施される全国学力テストについて、文部科学省は行き過ぎた対策をしないよう求めていますが、去年、全国の学校でテストの点数を上げるための事前対策が行われていたことが明らかになりました。

熊本県教育委員会は県内でも行き過ぎた対策が行われているおそれがあるとして、すべての公立の小中学校に対し、点数を上げるための事前対策をやめるよう、初めて要請することを決めました。

要請は今月8日以降、県内の10地域でそれぞれ開かれる小中学校の校長を集めた会議で行われ、県教育委員会は一定以上の教育水準が確保されているか把握するなどといった学力テストの趣旨のほか、子どもたちに自主的な学習姿勢を身につけてもらうことが重要だとして、そのための授業内容などを説明することにしています。

熊本県教育委員会義務教育課の藤岡寛成課長は、「学力テストの点数を気にするのではなく、学ぶことそのものを子どもたちが楽しめるような環境を目指していきたい」と話しています。