外国籍市民を断念した熊本市長 外国人との相互理解深める考え

熊本市が市民の定義に「外国籍を有する人」という文言を加えて市の条例改正を検討したものの、反対意見が多く寄せられ、追加しないことを決めたことについて、大西市長は「外国人との間に分断が生まれることがあってはならないと考えた」と述べ、市としては引き続き外国人との相互理解を深める取り組みを進める考えを示しました。

熊本市は外国人もまちづくりに参加しやすい環境を整えようと、市民参画などについて定めた市の条例を改正して、市民の定義に「外国籍を有する人を含む」とした文言の追加を検討していました。

しかし、条例の改正案についてパブリックコメントを行ったところ熊本市内に住む人から588件、市外に住む人から1300件のあわせて1888件の意見が寄せられ、その大半が改正に反対する意見だったということです。

市は、誤解や不安を招くとして条例の改正案に「外国籍」についての文言を追加しないことを決めました。

これについて大西市長は28日の記者会見で「条例の改正で、外国人との間に分断が生まれることがあってはならないと考えた」と述べました。

その上で「外国人への差別や偏見を生まないようにする行政の努力が非常に重要だということを再認識する機会となった。自治会や地域の場など交流の機会を増やし、相互理解を深める取り組みを進めたい」と述べました。