熊本県と水俣市 水俣病の原因物質流した排水口の設備を保存へ

水俣病の原因企業、チッソが有機水銀を含む排水を流した排水口の設備について、熊本県と水俣市が、現在の外観を維持しながら保存する方針を固めたことが複数の関係者への取材で分かりました。

水俣病の原因企業、チッソが、原因物質、有機水銀を含む工場排水を流した水俣市の「百間排水口」は、水俣病の歴史を学ぶ多くの人が見学に訪れる場所ですが、排水口に取り付けられている木製の樋門などの設備について、市はことし3月、老朽化を理由に撤去する方針を決めました。

この方針をめぐっては、胎児性患者などでつくる団体やノンフィクション作家の柳田邦男さんらが撤去の取りやめや保存に向けた議論を行うよう求めていて、熊本県や市が協議を続けていました。

こうしたなか、設備を撤去する方針について、県や市が現在の外観を維持しながら、保存する方針に転換したことが複数の関係者への取材で分かりました。

保存の方針や具体的な方法について、県や市は水俣市で患者でつくる団体などに説明することにしています。