コーヒー通じ被害者に思いを 熊本の遺族が東京でイベント

コーヒーを通じて事故や事件の被害者について知ってもらおうと、9日、熊本市の遺族が東京でチャリティーイベントを開きました。

熊本市出身の深迫忍さんは、バリスタとして東京で働いていた4年前の2019年、コーヒー豆を運ぶ際、誤ってバックしてきたトラックと壁の間に挟まれ、29歳で亡くなりました。

その後、遺族はコーヒーを通じて事故や事件、被害者について知ってもらおうとチャリティーイベントを毎年開いていて、ことしは東京の会場に全国から15のコーヒーショップが集まりました。

オープンと同時に多くの人が訪れ、コーヒーの香りが漂う中、それぞれの店舗をまわって味を楽しみながら、笑顔で店のスタッフやほかの客との会話を楽しんでいました。

会場には、事故や事件で亡くなった人たちの写真を掲載したパネルも展示され、訪れた人はコーヒーを飲みながら、亡くなった家族のために遺族が書いたメッセージを読んでいました。

このイベントの売り上げは、経費などを除き、被害者支援の団体などに寄付されるということです。

都内から訪れた20代の男性は、「遺族のことには日常で触れる機会がないので、貴重な機会になりました」と話していました。

深迫忍さんの母親の祥子さんは、「みんながおいしいコーヒーをふるまってくれて、とてもいいイベントになったと思います。犯罪被害を多くの人に知ってもらう場として、これからもイベントを続けていきたいと思います」と話していました。