八代城主 松井家所蔵の茶器25点を展示 八代市立博物館

肥後細川藩の筆頭家老を務め、八代城主でもあった松井家に代々受け継がれてきた茶器の展示会が八代市で開かれています。

会場の八代市立博物館には、鎌倉時代から江戸時代にかけて、日本各地や中国で作られた茶わんや水指、それに皿など25点が展示されています。

このうち、江戸時代初期の「鉄釉筒茶碗」は、肥後細川藩の御用窯として八代市で栄えた「八代焼」の茶わんです。

八代焼発祥の窯元「奈良木窯」で焼かれたもので、鉄分の多い釉薬をかけることで、茶色や灰色の重厚な色合いに仕上げてあります。

また、安土桃山時代から江戸時代に作られたとされる「志野草花文額皿」は、茶菓子をのせる「志野焼」の皿です。

灰色の器の中央に草花の絵を、そして、そのまわりに鳳凰や龍が描かれていて、シンプルながらも、茶の席に優美な雰囲気を与えてくれる一品です。

八代市立博物館の学芸員、宮原江梨さんは「茶の湯をこよなく愛した松井家に伝わる茶器の名品を数多く展示しているので、当時の「わび茶」の美意識を感じてほしいです」と話していました。

展示会は、8月20日まで開かれています。