“TSMC2番目の工場も熊本県に”期待と懸念の声

台湾の半導体メーカー、TSMCの会長が、日本で2番目となる工場も熊本県に建設したいという意向を示したことについて、地元の不動産業者からは土地や住宅の需要が高まることへの期待の一方、住宅や工場用地が不足することなどへの懸念の声も聞かれました。

菊陽町に支店がある不動産業者はTSMCの進出以降、住宅や工場の用地の問い合わせが進出前のおよそ2.5倍に増えています。

この業者ではTSMCや関連企業に勤務する人たちの住宅の需要を見込んで、大津町に10階建てのマンションを建設しているほか、6棟のマンションやアパートの建設を予定しています。

不動産業者によりますと6日、TSMCの会長が日本で2番目となる工場も熊本県に建設したいという意向を示したと報じられてから7日までに、投資家や企業からすでに数件の問い合わせがあったということです。

2番目の工場が熊本県内に建設された場合、さらに企業進出や人口の増加が見込まれるとして、この業者は土地や住宅の需要が高まることに期待する一方、住宅や工場用地が不足することなどを懸念しています。

コスギ不動産の益崎清治さんは「TSMCの進出で土地の価格は上がっていますが今後、まだまだ上がっていくのかなと感じています。企業などから用地の要望が多く来ていて、期待はとても高いのですが、需要に対して供給できる土地が非常に少ない状況です。熊本県などがどう対応していくのかが今後の課題かと思います」と話していました。

台湾の半導体メーカー、TSMCの会長が、日本で2番目となる工場も熊本県に建設したいという意向を示したことについて、1番目の工場が建設されている菊陽町の商業施設の近くでは、期待の声の一方、交通渋滞の悪化などを懸念する声が聞かれました。

菊陽町の20代の女性は、「2番目の工場ができれば、人が増え、さらにまちがにぎわうので熊本の発展にもつながると思う」と期待を寄せていました。

一方、熊本市北区に住む80代の女性は「水の問題が心配なので次の工場は離れたところに建ててほしい。最近は渋滞で買い物に行くのが大変なので対策をしてほしい」と話し、半導体の製造に使われる地下水の保全や交通渋滞の悪化を懸念していました。