川辺川のダム建設計画 一部水没想定される五木村で住民説明会

熊本県を流れる球磨川水系の治水対策の柱となる「流水型ダム」の建設をめぐり、貯水時に村の一部が水没すると想定されている五木村の新たな振興計画について、4日、国や県が地元への説明会を開きました。

3年前の7月の豪雨で氾濫した球磨川の支流、川辺川に建設される「流水型ダム」をめぐり、五木村は貯水時に一部が水没すると想定されていますが、村はこれまでのところ、建設の賛否について判断を示していません。

熊本県は、村の振興にあてる財源として今後20年間でおよそ100億円規模の財政支援を行う方針で、国や県は4日、村の新たな振興計画について五木村で住民説明会を開き、およそ90人が参加しました。

このなかでは、人口減少対策や子育て環境の充実などの方針とともに、今年度以降、高齢者の実態調査のほか、オンライン診療や買い物などに使用するタブレットを全世帯に配布することなどが説明されました。

参加した人からは「計画はダムの建設が前提ではないか」とか「若者の定住につながるよう、子育てや空き家の改修への支援を拡充してほしい」といった意見があがっていました。

これに対して、蒲島知事は「五木村の振興は待ったなしで、県政の最重要課題だ。国や県が一体となって全力で取り組みたい」と述べました。

参加した60代の男性は「行政に任せきりではなく一緒になって、どうすれば村が活性化するのか考えたい」と話していました。