県内の景気 日銀「持ち直している」判断据え置き

日銀熊本支店は今月の金融経済概観を発表し、県内の景気について、去年11月以降の「持ち直している」とする判断を据え置きました。

日銀熊本支店が今月発表した県内の金融経済概観によりますと、「個人消費」は「持ち直している」としたほか、「観光」は「回復している」としています。

これは、新型コロナへの警戒感が和らぎ、商業施設や飲食店、観光施設への客足の回復が続き、大型連休中も帰省客や観光客でにぎわいが見られたことが主な要因です。

また、「生産」は半導体関連産業で世界的な需要が減速している影響を受けつつも、これまでの受注が多いことを背景に「高水準で推移している」としています。

このほか、「雇用・所得情勢」は春闘でベースアップを含め去年を上回る賃上げが見込まれており、「改善の動きがみられている」としています。

そのうえで、県内全体の景気について「持ち直している」として、去年11月以降の判断を据え置きました。

今後の見通しについて、日銀熊本支店の田原謙一郎支店長は「物価の上昇や海外経済の下振れの影響など不確実性があり、注視する必要がある。全体としては持ち直しを続ける可能性が高いとみている」と話しています。