白川上流の「立野ダム」 本体工事おおむね完了し記念式典

治水対策として南阿蘇村と大津町にまたがる白川の上流で国が建設を進めている「立野ダム」の本体工事がおおむね完了し、21日記念式典が行われました。

立野ダムは、阿蘇地域から熊本市内までを流れる白川の治水対策として流量の調節を行う「流水型ダム」で、南阿蘇村と大津町にまたがる白川の上流に国が建設を進め、このほど本体工事がおおむね完了し、21日現地で見学会が行われました。

ダムは高さおよそ90メートル、幅およそ200メートルで、放流するための穴が5メートル四方で3つ設けられていて、このうち1つは川の高さとほぼ同じところから常に水を流しています。

このあと、国や流域自治体の関係者などおよそ40人が出席して記念式典が行われ、地元の小学生が、将来の夢などを書いた記念の石をダム本体の最上部に設けた穴に入れた後、コンクリートが流し込まれ、打設工事が完了しました。

国土交通省によりますと、今後、最高水位まで水をためて安全性を確認する試験などを行ったうえで、本格的な運用の開始は来年度を予定しているということです。

見学した南阿蘇村の70代の男性は「昔の水害でたくさん雨が降ったことを覚えています。二度と水害が起きないよう、このダムが守ってくれることを願っています」と話していました。

立野ダム建設促進期成会の会長で熊本市の大西一史市長は「ダムだけですべてを守れるわけではなく、流域の皆さんにも災害に対する意識を持ってもらいたい」と話していました。