ダム建設めぐる五木村の振興計画 村 県 国の3者が合意

3年前の豪雨で氾濫した球磨川水系の治水対策の柱となる「流水型ダム」の建設をめぐり、貯水時に村の一部が水没すると想定されている熊本県五木村の振興策について、15日、村と県、国の3者が振興計画に合意しました。

15日は蒲島知事や国土交通省の担当者らが五木村役場を訪れ、木下丈二村長と振興計画の内容を確認しました。

3年前の豪雨で氾濫した球磨川の支流の川辺川に建設される流水型ダムをめぐり、五木村は貯水時に一部が水没すると想定されていて、県はことし1月、村の振興に充てる財源として今後20年間でおよそ100億円規模の財政支援を行う方針を伝えています。

こうした中、今回の計画では、人口減少対策や子育て環境の充実といった4つの方向性が示され、今年度以降、高齢者の実態調査や安心できる村づくりのため、オンライン診療や買い物支援などに使用するためのタブレットを全世帯に配付する取り組みを進めることにしています。

木下村長は「村は人口減少と少子高齢化の存亡の危機で、支援をもらいながら村民一丸で克服しなければならない」と述べ、県と国と3者で振興計画の内容に合意しました。

今年度から5年間を第1期と位置づけ、今後おおむね5年ごとに計画を見直して振興を進めていくことにしています。

木下村長は「村では流水型ダムを容認するか判断には至っていない。住民への説明を待ちながら今後判断していきたい」と述べました。

蒲島知事は「村の振興は待ったなしで、スピード感を持って取り組まなければいけない」と述べていました。