5類移行で医療機関や介護老人保健施設は

熊本市中央区にある「すえふじ医院」では、従来の内科と小児科の診療に加えて新型コロナウイルスの発熱外来やワクチン接種の対応を行ってきました。

末藤久和院長によりますと、新型コロナの第8波では多いときに1日30人が発熱外来の受診に訪れるほどひっ迫し、検査の結果、合わせて2000人ほどが陽性と確認されたということです。

新型コロナの感染症法上の位置づけの5類への移行について、末藤院長は「感染状況がかなり落ち着いているので、いまのうちに体制を固めるというのは現場としては妥当な判断かなと思っています」と話しました。

医院では移行にともなって新型コロナの感染疑いのある患者と接する際に着用してきたガウンや高性能の「N95マスク」について、8日からはガウンの着用をやめてサージカルマスクに変更し、状況によってフェイスシールドをつけて対応にあたるということです。

また、これまで一部の医療機関で診察してきた新型コロナの患者に関して、熊本県が外来対応の拡大を目指して医療機関に働きかけていくとしていることについては「幅広く診療してもらうことで、ひっ迫した際の患者の集中が緩和されるのではないかと期待しています」と話していました。

末藤院長は「これからはより自主的な感染拡大の予防に重きを置くことになります。1人ひとりが感染を広げないようにという意識を変わらずに持つことが大事だと思います」と改めて対策を呼びかけました。

熊本市中央区にある介護老人保健施設には、入所者およそ70人のほか、デイサービスなどの利用者もいます。

施設では新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクが高い入所者たちを守ろうとこれまで消毒や換気などの基本的な感染対策に加えて職員の抗原検査など一層の対策に取り組んできました。

施設では3年前の2月から入所者と家族が直接面会することを原則、中止し、タブレット端末を使用して面会を行ってきました。

4月からは新型コロナの感染症法上の位置づけの5類への移行を前に、時間や人数に制限を設けて直接の面会を再開しました。

施設によりますと、直接、入所者と面会した家族は、元気な姿を見られて安心したと話し、入所者も家族も涙を流して喜んでいたということです。

一方、タブレット端末での面会は感染対策として有効なため、今後も活用していくということです。

介護老人保健施設「湧心苑」の統括マネジャー、日置徳尚さんは「感染予防対策を継続して予防に努めながら、感染状況に応じて、会える時期に家族や親戚の方々などと直接会って頂き、入所者の日常生活の質の向上につながればと考えています」と話していました。