TSMC進出に伴う渋滞緩和へ実験 バス利用は想定の25%

台湾の半導体メーカー、TSMCの進出で工業団地周辺の渋滞悪化が懸念される中、ことし1月に行われた実証実験で、車からバスに乗り換えたのは想定の25%にとどまる結果となりました。

合志市と菊陽町にあるセミコンテクノパーク周辺では、台湾のTSMC進出で通勤時の交通渋滞の悪化が懸念されています。

渋滞緩和に向けて、バス事業者と県はことし1月、車を使わず公共交通機関の利用を呼びかけるノーマイカーデーの実証実験を行いました。

実験では、新たに5つのルートで無料の通勤バスを運行したり、駅からのバスを増便したりしました。

事業者によりますと、実験では、朝に通勤する8100人のうち、1割にあたる800人の利用を見込みましたが、実際にバスに乗り換えたのは25%の199人にとどまり、渋滞緩和に至らなかったということです。

実験後のアンケートで、公共交通機関を利用しなかった理由を聞いたところ、「自宅近くにバスや鉄道が通っていなかったから」が42%、「通勤時間が車よりもかかるから」が33%でした。

また、無料バスを利用した人のうち、88%が「また利用したい」と答えたものの、改善点として増便や定時制の確保、それにバス停に雨よけや風よけの設置などの要望が出されたということです。

バス事業者でつくる共同経営推進室は、今回の結果をふまえて今年度、県と連携して再び実証実験を行うことを検討しているということです。