熊本地震で被災の南阿蘇鉄道 7月の全線再開に向け試運転

7年前の熊本地震で被災した高森町と南阿蘇村の間を結ぶ南阿蘇鉄道で、ことし7月の全線での運転再開に向けて10日から列車の試運転が始まりました。

南阿蘇鉄道は7年前の熊本地震で大きな被害を受け、全線17.7キロのうち南阿蘇村の立野駅と中松駅の間の10.6キロの区間が今も不通となっていて、ことし7月15日の全線での運転再開に向けて準備が進められています。

10日は、午後1時すぎから運転士2人による列車の試運転が行われ、中松駅から不通となっている立野駅に向けて列車が出発しました。

列車は速度を緩めて安全を確認しながら進み、途中の踏切では、信号機や遮断機が正常に動くかなどを地上の係員と連絡を取りながらチェックしていました。

また、去年、架け替え工事が終わった長さ166メートルの「第一白川橋梁」では、ゆっくりと進む車内から白川渓谷を望むことができました。

不通区間にある長陽駅のホームで見守った近くの80代の女性は「懐かしい気持ちでした。買い物や病院に行くのに使う生活の一部だったので、開通するのがうれしく待ち遠しい」と話していました。

この試運転は全線開通の前日まで行われ、線路や設備の確認のほか、運転士の訓練などが続けられる予定です。

試運転を担当した南阿蘇鉄道の運転士、玉目一将さんは「はじめて全線で運転し、これから開通するという実感がわいたとともに復興にも一歩近づいたのではないかと思います。残りの3か月で地域の公共交通機関として機能できるように万全の体制を整えたい」と話していました。