修学旅行の誘致などに向け県が専門家と震災遺構を視察
熊本地震の被害を伝える「震災ミュージアム」の整備を進める県が、修学旅行の誘致などに向けて、専門家らと南阿蘇村の震災遺構を視察しました。
県は熊本地震で被災した市町村と連携し、各地に点在する震災遺構を巡る「震災ミュージアム」の整備を進めていて、ことしの夏には、中核となる展示施設が南阿蘇村にオープンする予定です。
これにあわせ、県などは22日、修学旅行の誘致や内容の充実を図るため、防災の専門家や、被害を伝えるガイドの住民などと南阿蘇村で震災遺構を視察しました。
県の担当者が、夏にオープンする施設について、地震の被害などをパネルで伝えるだけでなく、訪れた人たちに問いかける文章も載せて、防災への考えを深めてもらう展示を目指していることなどを説明しました。
このあと、専門家たちは、被災した東海大学のキャンパスを訪れ、ガイドの説明とともに震災遺構の講義棟や地表に現れた断層を見学しました。
参加した、防災に詳しい関西大学の河田惠昭特別任命教授は「防災だけが目的だとうまくいかない。復旧工事が行われている熊本城をはじめとした文化的施設など、ほかの観光資源と組み合わせ、ミュージアムにも足を運んでもらう工夫が求められる」と話していました。