コロナ禍の障害者の暮らし「心身への負担増した」が3割
県内の障害者施設の利用者などに新型コロナの暮らしへの影響を尋ねたところ、生活に変化を感じた人のうち「イライラが増えた」などと心身への負担が増したと感じている人が3割近くにのぼることがわかりました。
調査した専門家は「コロナが拡大した際などに負担が増さないよう、年金額を上げるなど、環境の改善が求められる」と指摘しています。
熊本学園大学社会福祉学部の高林秀明教授が障害者施設で作る団体とともに、ことし1月から先月にかけ、県内68の施設の利用者や家族などに、新型コロナの暮らしへの影響をアンケート調査しました。
その結果、回答を寄せた障害のある人313人のうち、およそ7割が「コロナ禍で変わったことがある」と答え、その内容を尋ねたところ、「イライラすることが増えた」が28.1%、「体重が増えた」が27.2%と、いずれも3割近くがコロナ禍の前に比べて、心身の負担が増したと感じていることがわかりました。
さらに生活の変化に伴う不安を尋ねた項目では、2割余りが「収入が不足」と回答し、コロナ禍で就業の機会が減るなか、利用者が経済的な不安も感じていることが浮き彫りとなりました。
調査した高林教授は「コロナや大規模災害が起きた際に負担が増さないよう、コミュニティ作りだけでなく、年金額を上げたり、就労の場を増やしたりするなど、環境や制度の改善が求められる」と指摘しています。