旧優生保護法で不妊手術強制 熊本訴訟 国が控訴

旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された熊本県内の70代の男女が国を訴えた裁判で、賠償を命じた熊本地方裁判所の判決について、国は3日、内容を不服として控訴しました。

訴えを起こしていたのは、熊本県の渡邊數美さん(78)と76歳の女性で、昭和30年代から40年代にかけて本人や家族に障害があることを理由に、旧優生保護法によって不妊手術を強制されたとして、国にそれぞれ3300万円の賠償を求めていました。

先月23日、熊本地方裁判所は「旧優生保護法は憲法に違反することは明らかだ」などと指摘して国の賠償責任を認め、原告2人にあわせて2200万円の賠償を命じました。

これに対し、厚生労働省は3日、判決を不服として福岡高等裁判所に控訴しました。

旧優生保護法をめぐる同様の裁判で、国の賠償責任を認めた判決は去年、大阪と東京の高等裁判所でも言い渡されていましたが、いずれも国は上告しています。

原告の1人、渡邊數美さん(78)は「理不尽極まりない法律で人を長年苦しめたうえで、控訴した国の判断は残念極まりないです。体調も悪いので、控訴を諦めてほしかった」とコメントしています。

原告の76歳の女性は「控訴してほしくありませんでした。解決までどれだけ時間がかかるかわからず、大変残念でした」とコメントしています。

また、弁護団の松村尚美弁護士は「熊本地裁の判決は非常に評価できるものだったので大変残念だ。引き続きこちらの主張が認められるように取り組んでいきたい」と話していました。