熊本市の中学生自殺 暴言や体罰で小学校担任を懲戒免職処分に

3年前、熊本市の中学1年の男子生徒が自殺した問題で、熊本市教育委員会が、2日記者会見し、この生徒を含む複数の児童に暴言や体罰など不適切な指導を行っていた小学校時代の担任の男性教諭を懲戒免職の処分にしたことを明らかにしました。

2019年4月、熊本市の中学1年生の男子生徒が自殺した問題では、弁護士などでつくる第三者委員会が「生徒は小学6年の時の担任だった男性教諭から叱責や暴言などの不適切な指導を受けたり、友人が叱責されるのを目撃したりして、抑うつ状態の発症や悪化に強く影響した可能性が高い」などと指摘しています。

男性教諭をめぐっては自殺した生徒を含む複数の児童らに対する体罰や暴言など不適切な指導が42件あったことが認定されています。

熊本市教育委員会は、2日午後、記者会見し遠藤洋路教育長が亡くなった生徒の担任で、現在、力合西小学校に勤務する吉野浩一教諭を懲戒免職の処分にしたことを明らかにしました。

遠藤教育長は「多くの児童や保護者それに教職員に深い傷を負わせ、消えることのない痛みを残したことなど被害を受けた皆様に心よりおわびします」と謝罪しました。

男性教諭の処分が2日になったことについて遠藤教育は、「当時は、学校の管理職が吉野教諭を指導できると考えて教壇に立たせることにした判断は適切だったと考えているが、学校と市教委との情報共有がうまくできず問題の全体像を把握できなかった」などと述べました。

【亡くなった生徒の母親】

男性教諭が懲戒免職になったことを受けて亡くなった生徒の母親が記者会見し「被害の重大さを考えると当然の結果と考えていますが、こんなに処分に時間がかかるとは思っていませんでした。この先生をずっと教壇に立たせていたことについて、教育委員会としての受け止めが甘いのではと感じました。体罰が子どもたちに与える影響の大きさを改めて考えてほしいです」と話しました。