老舗の饅頭店 高齢の店主がやむなく閉店 人吉市

おととしの豪雨で被災しながらも、その後、営業再開を果たした人吉市の老舗まんじゅう店が、店主の高齢を理由に豪雨から2年の4日、のれんを下ろしました。

4日で閉店したのは、大正元年創業で、110年の歴史がある人吉市中青井町のまんじゅう店、「いわみ商店」です。

県産の米粉を使った生地に、甘さ控えめのたっぷりのこしあんが詰まった「丸まんじゅう」と、細長い形の「長まんじゅう」が人気で、店主の岩見欣吾さん(76)が、妻のエミ子さん(72)とともに、父親から継いだのれんを、およそ50年守り続けてきました。

しかし、店はおととしの豪雨で、1メートル80センチの高さまで水につかり、大量の泥が流れ込む被害を受けました。

それでも岩見さんは、2か月後には店を再開させ、復興へ向かう人吉の人たちに変わらぬ味を提供し続けてきましたが、高齢のため、豪雨から2年となった4日を節目に閉店することを決めました。

最終日の4日、ふだんより100個以上多い、550個のまんじゅうが用意されましたが、朝8時前の開店とともに多くの客が詰めかけ、わずか30分ほどで完売しました。

客からは「なじみの味を最後に家族で楽しみます」とか、「人吉で1番おいしかったのでさびしいです」などと、閉店を惜しむ声が聞かれました。

岩見さんは「きょうは、いつもより少しだけあんこが多かったかもしれません。最後という言葉は嫌なので、きょうは、まんじゅうを作り終える日です。今は安堵しています」と話していました。

また、妻のエミ子さんは「まだ閉店の実感はありませんが、こんなにお客さんに来てもらえるとは思わず、感謝しています」と話していました。