富士山信仰支えた「御師」の歴史や暮らしを紹介 富士吉田

富士山を信仰する登山者を世話する役割を果たしてきた「御師(おし)」と呼ばれる人たちの歴史や暮らしを紹介する企画展が、富士吉田市で開かれています。

この企画展は、富士吉田市の「ふじさんミュージアム」が開いていて、会場には、富士山を信仰する登山者に宿や食事を提供するなどして世話をする「御師」と呼ばれる人たちに関する古文書や絵図など、およそ70点が展示されています。
このうち、戦国武将、武田信玄が娘の病気の回復を願って富士山5合目の中宮に納めた「武田信玄の願文(がんもん)」は、御師の家に代々伝えられたもので、信玄公の自筆で書かれていることや、御師が富士山を信仰する人と富士山をつなげていたことがうかがえる貴重な資料です。
また、江戸時代の木版画「冨士山北口大祭神事之図(ふじさんきたぐちたいさいしんじのず)」は、ふもとの神社で行われた神事の様子を描いたもので、御師が祝詞をあげたり神楽を舞ったりするなど、富士山信仰を取りしきっていたことが分かります。
ふじさんミュージアムの篠原武学芸員は「富士山の御師は500年以上の歴史を持っています。富士山信仰を支えてきた御師の歴史や文化を多くの人に知ってほしいです」と話していました。
この企画展は9月23日まで開かれています。